ドイツの育成コーチの給与事情

お金の話になるので、正確な金額は避け、内容も私個人の経験や周りからの情報によるものです。

 

まず最初に言えるのはドイツでは育成コーチを本職として行うことはとても難しいと言えます。ドイツではU15-11のアシスタントコーチとして活動経験があります。クラブの金銭状況にもよりますが、いただいていたお金は交通費程度で、仕事にするどころか家賃にさえ到底届かない金額です。

では、監督はどうかと言うと、今まで関わったすべてのチームの監督は他に本業があり、仕事をしながら時間を作りチームの指導にあたっています。これはアイントラハト・フランクフルトも例外ではありませんでした。

では、誰がドイツでサッカー(指導者)を仕事にできるのでしょうか。

  • ブンデスリーガ1部、2部、ドイツ3部、4部リーグの成人チームの指導者
  • ブンデスリーガクラブレベルのU19やU17の指導者
  • チャンピオンズリーグ常連クラブのアカデミー指導者

例外もあるとは思いますが、主に以上の環境でなければ指導者を本職として生活することは難しいのがドイツの現状です。

 

ドイツの育成年代の指導者における環境の個人的に思うメリットとしては、

  • 好きで行っているので、選手、保護者、指導者間で尊重しながらサッカーに関わっている。
  • 多くの人数を抱えることをしなくてよいので、適切な人数のチームを作ることができる。
  • 本職があるので、生活や将来の不安などを持たずにサッカーに関われる。
  • 休むときは休む。長期休暇も取る。

以上のようなことが考えられます。

しかし、この環境や状況はサッカーだけではなく、ドイツのスポーツ環境や学校事情、仕事や会社の環境面も大きく関わってくるので、すぐに日本に取り入れられるものではなく、すべてドイツが正しいという訳でもありません。

中にはサッカー(指導者)を本職として、アカデミーを立ち上げたり、個人のプライベートレッスンを行ったりしている指導者もいます。この面では日本の方が進んでいる(様々な方面での取り組みをしている)ような印象を受けます。

 

大きな話で、日本のサッカーの発展、育成年代の発展を考えるのであれば、指導者の環境も指導者自身の考えも整えていかなければならないと感じます。